5月1日全校朝礼での学校長講話
16.05.01
平成28年度 大阪成蹊女子高等学校 5月全校朝礼講話
新学期が始まって1ヶ月が経とうとしています。1年生の皆さんは、そろそろ高校生活に慣れた頃でしょうか。中学生と違って、高校生としての自覚と品格をもつことを期待しています。
この4月には、熊本で大きな地震災害がありました。たくさんの人が亡くなられ、今も何万の人が家に帰れない状況が続いています。先日、帰る途中の難波で、日本赤十字社が熊本地震の被災者支援の募金活動を行っていました。日本赤十字社というのは世界中で困窮している子どもや女性などに支援をしている団体。私も協力させてもらったのですが、その時、外国から来られた10人ぐらいの団体の人たちの中から年配の女性が一人、私の後ろについて、一緒に募金の人に近づき募金されました。最初は一人だけかなと思ったら、それにつられるように、他の外国人の方も円のほかにドルでも次々と募金をされていました。この光景を見て、たいへんうれしい気持ちが、胸いっぱいに広がりました。熊本地震については、世界中にニュースが広がっており、先週には5月に本校へ来られる台湾の金陵女子高級中学の校長先生からも、温かいお見舞いのメッセージが届きました。
現在、世界の国々との距離は確実に近くなっており、日本とりわけ大阪にもたくさんの外国の人々が観光などで来られます。国や大阪府は、2020年の東京オリンピックもあり、今後も、よりいっそう海外からのお客さんが来ると予想しており、また私たちも海外に出かける機会が確実に増えます。今、すべての物資、資金、人の流れは、1つの国だけで完結する時代ではなくなっています。グローバル化とは、好むと好まざるに関わらず、世界の国々、世界の人々と良好な関係がないとやっていけない、国、社会、そして家庭が成り立たないという状況になっています。ますます、使える英語力が求められる社会に変化しているのです。
本校でも、社会のグローバル化に対応して、皆さんの使える英語力を高めてもらいたいと思っています。本校の特色である各コースの取り組みに加えて、英語教育の内容を充実させたいと考えており、他の高校にはない、新しい事業を本年度から立ち上げます。
これまでも、放課後に無償のベルリッツ社による英会話を実施していますが、今年もたくさんの皆さんに応募していただき、5クラス計100名の受講生となりました。
さらに、少し上のランクの英語力を高める機会として、TOEICという英語検定に向けた放課後の講習も夏休み以降に計画しています。このTOEICという検定は、海外でも通用する実践的な英語力を表すもので、990点を満点として点数で示すスコア制です。会社の入社に資格条件として使われたり、高いスコアを取ると大学入試に有利であったり、大学での単位として認定されるものです。10回程度の講習を受けてもらって、検定に臨みます。
また、このTOEIC受講者とオーストラリア語学研修をセットとして、半額程度を学園が負担して、オーストラリアにも行ってもらう計画があります。また、詳細は文書で配布します。
それとは別に、5月には台湾の提携校、金陵女子高級中学から32人の仲間がやってきます。2年生を中心にクラスでの歓迎会など、皆さんの忠恕の精神、「おもてなしの心」を大いに発揮してもらいたいと思います。そして、12月に実施する本校から台湾への研修旅行ですが、これも来月以降に募集を開始する予定ですが、金陵女子高の生徒や台湾の大学生との交流のほか、文化遺産めぐりや有名な繁華街でのショッピングも計画しています。費用は4日間で11万円かかるところ、皆さんが行きやすいように、学園からの補助金により、経済的な負担を軽くして行ってもらうつもりです。さらに、ここからしっかりお話を聞いてほしいのですが、すべての学年、すべてのコースで、1学期末の成績優秀者には、学習面で努力した成果を評価し、さらに学園から奨学金をプラスして2万円程度で台湾に行ける機会を設けました。各学年で8名程度を予定しています。この事業は、少なくとも今の1年生が卒業する3年間は、毎年行ってもらいたいと思っています。チャンスはどんどん広がると思います。積極的にチャレンジしてください。こちらも、文書でお知らせします。
本校では、成績優秀者だけでなく、すべての生徒の皆さんが使える英語の力を高め、積極的に海外の体験を積み、グローバルな視点で、自分を見つめ考えるチャンスを増やしたいと思っています。日常の教科の学習、コースでの学びを大切にしつつ、皆さんに求められる新たな学力も育んでください。新しい活動で、自分を高める機会を大いに活用してくれることを期待して、5月のお話とします。