お知らせ

3月22日終業式での学校長式辞

18.03.22

平成29年度 大阪成蹊女子高等学校 第3学期終業式式辞

 
駅から続く道沿いの桜も咲き始め、例年より早く春を感じるようになりました。
本日、平成29年度3学期の終業式を迎えました。
 
2月に行われた卒業式には、たくさんの来賓の方が列席され、大変立派な卒業式であったとお褒めの言葉をいただきました。
そして、4月には、今年も府内の女子校では最大規模の500名を越える生徒が入学してきます。
皆さんは、二年生、三年生となり、新入生を迎える側になります。
中核として大阪成蹊女子高校を更に盛り上げるとともに、すべての生徒が本校で成長することを期待しています。
 
先日、皆さんの成績判定会議を行いました。
残念ながら、一部の生徒は、成績不良で単位を修得できませんでした。そして進級できない生徒がいたことも、極めて残念に思っています。
皆さんが、本校に入学した1年前、2年前を思い出してください。
皆さんは入学した時、本校で楽しい高校生活を続け、3年で卒業して、将来の進学や就職に備えて学力や特技を伸ばそうと考えていたのではないでしょうか。
入学時のアンケートによると、保護者や中学校・塾の先生に勧められたからという人もいましたが、多くの生徒が入学時には本校での目的を持って入学してくれたと思っています。
 
ところが、人間の脳は、慣れてくると刺激反応に弱くなり、活性が低下することが知られています。
皆さんが入学した直後の4月、新入生として輝いていたころは、新しい環境が刺激となって、なんとか授業についていこうと一生懸命に取り組んでいたと思います。
それが、高校生活に慣れてくると、残念なことに一生懸命に学習に取り組む人と、そうでない人の二極化が起こっています。
自分の将来に目標を定めている人は、無意識下に自分自身の脳に刺激を与えており、しっかり学習に取り組むことができるのに対して、将来の目標や、やりたいことを持たない人は、脳への刺激がなく、学習への取り組みもおろそかになります。
 
以上の話は、有名な脳科学者でもあるフェルデンクライスという先生が解明したもので、「人間の脳の働きは無限であり、運動や芸術、その他の知的活動を行えば行うほど、脳の海馬を中心に神経組織は活性化し、脳は新しい認識を獲得する。」と述べられています。
つまり、脳は刺激を受け続ける限り、無限にその働きは高まるというのです。
スポーツや、音楽や美術などの芸術の取り組むこと、更には知的な活動、具体的には体育祭、文化祭などの学校行事に委員としての参加や運用することも重要な脳の刺激になるというのです。
頭の良い人というのは、いろいろな刺激を上手に続けることができる人ということになります。
 
4月になり、皆さんが上級生になっても、運動や芸術の面での刺激を大いに継続するほか、学校行事への積極的な参加、コースの独自活動、その他にも海外修学旅行や海外研修など数え上げると切がありませんが、いろいろな活動に、是非チャレンジしてみてください。
これらの活動が皆さんの脳への刺激となり、学力向上につながるものです。また、単に参加するだけでは、脳の海馬への刺激は薄く、積極的、主体的な取り組みがいっそう刺激を強くするものです。
次年度は、上級生になる皆さんの活躍と成長を大いに期待します。
 
最後に、私事ですが、今回の終業式で5年間努めた校長の職を終わることになりました。
府立高校の2校で校長した後、縁があり私にとっては3校目の校長職でしたが、もっとも充実し、大好きな生徒とすばらしい高校で職を終えられたことは、本当に幸せでした。
生徒そしてすべての先生に感謝しています。
しかし、まだ終わっていません。4月から、大阪成蹊短大の学長として出発することになります。
引き続き、この学園の中で、皆さん方の成長のお手伝いをさせていただきたいと思っています。
学園で出会ったときには、これまでどおり、成蹊生の「こんにちは」の挨拶が私の宝物になります。
また、お会いしましょう。
 
一人ひとりの生徒が、平成30年度に輝くことを期待して、第3学期の終業式の式辞とします。
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