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7月20日終業式での学校長式辞

19.07.20

令和元年度 大阪成蹊女子高等学校 第1学期終業式式辞


令和元年の第一学期を本日終了します。
1学期を振り返って、生徒の皆さん一人ひとりに聞いてみたいことがあります。
1年生の皆さんには高校生活に慣れて、充実した高校生活がスタートできたでしょうか。
また、2年生の皆さんは、本校の中核として学校行事や部活動に大いに盛り上げてくれたでしょうか。
3年生の皆さんは、卒業後の希望する進路に向けて、全力で学習に取り組んでくれたでしょうか。
それぞれの学年の生徒が、しっかりと自分を見つめ、自分を高める努力を大切にして欲しいと願っています。
 
その意味で今日は、皆さん自身を高めるよう、考えてもらいたいことがあります。
それは「思いやり」です。この1学期、数名の生徒には、「思いやり」が欠けていることに起因する問題行動がありました。
では、スライドを見てください。
 
皆さんは、「相田みつを」という人を知っていますか。30年前なくなった有名な詩人で、書道家の先生です。
この先生の詩で、私が最も感動したのは、ここに書かれている
「あなたは、そこにいるだけですばらしい。
あなたは、そこにいるだけで、価値があるんだよ。ありがとう。」という短いメッセージです。
実に意味深く、感動いる言葉と私は感じています。
ここにいる本校の1450人の生徒の皆さんは、それぞれが、そこにいるだけですばらしいのです。
クラスの、あるいはクラブの集団では、全員がいることに価値があり、誰一人が欠けても、悲しいのです。
しかし、集団で生きていくためには、皆さん一人ひとりが他者との関係を円満に、そしていい関係性をもつことがとても大切です。
 
相田さんの次の言葉を見てください。
「セトモノとセトモノとぶつかりっこするとすぐに壊れちゃう。
どっちかが柔らかければ、大丈夫。壊れないために、柔らかい心を持ちましょう。
そう言う私は、いつもセトモノ。」
 
成蹊生は、きっと柔らかい心を持つことができる生徒だと思います。
しかし、他者への思いを持つというのは、身の回りの人たちだけを対象にするのではありません。
現在は、ネット社会と言われ、SNSを通じて、名前も顔も知らない多くの人と容易につながる社会になっています。
そのため、今の社会で自分を守ること、ある意味で自分への思いやりも是非もつ必要が生じています。
  
次の写真を見てください。
これは、皆さんがよく行くユニバで、あるカップルが自分たちのユニバでの記録をSNSにアップしたものです。
実際の写真には、このような目隠しの処理はなされていません。
この後、この画像とカップルがネット上で炎上してしまいます。
その訳は、わかりますね。この画像には、確かに個人の情報は書かれていません。
しかし、このどちらかを知っている人が、この写真を見たら、どうでしょうか。
そこから、一気に個人の情報が転がります。SNS上の個人情報は、正確であろうとなかろうと、思わぬ拡大をしてしまうものです。
 
次の写真を見てください。
これもユニバで、ユニバNOWと書き込んだだけです。
しかし、この写真もSNSで大炎上しました。
ネットに挙げた瞬間、この画像をオンタイムで見る人が多大勢います。
多くの人が行きたいと思っているユニバでの写真を遠い北海道の人が見たら、また受験勉強中の人が見たら、どうでしょうか。
SNSの危険性がここにあります。人に嫉妬されることになるということも、知らなければならないでしょう。
周りだけではなく、ネット上では、まったく知らない人への配慮も自分を守るためには大切なことです。
 
最後に、皆さんがよく知っている「乃木坂46」の元センターの生田絵梨花さんの言葉を紹介します。
彼女は、ドイツで生まれて東京で育った人です。
小さい頃から、たいへんな努力家であったようです。
中学生の頃には、英検や漢検ですばらしい資格を得るような頑張り屋さんであったようです。
彼女の言葉に「自分に才能があるなんと全然思ったことはありません。
才能がないから必死にがんばっています。でないと何にもない人間になりそうだから。」
 
頑張り屋さんらしい言葉ですね。しかし、皆さんに覚えて欲しいのは、次の言葉です。
「センターに立つと、生田個人は自然と消えました。
乃木坂のメンバー全員のことを考え、行動するようになりました。
まわりへの思いは、自分の成長の証でした。」
今日の私が、皆さんに伝えたいのは、まさにこの言葉です。
「皆さんは、そこにいるだけですばらしい。そして、まわりの人に思いやりを持てる、柔らかい心の人だと思っています。
皆さんのまわりへの思いやりは、成長する自分の証になるのです。」
 
明日からの夏休み、普段の生活とは異なって多くの人と出会うことでしょう。
いつも、周りへの思いやりを忘れないでください。
またSNSへの危険な画像のアップは、やめてほしいと願っています。
では、2学期始業式で、元気な皆さんと会いましょう。

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