令和4年度　大阪成蹊女子高等学校　入学式式辞

新入生の皆さん、入学おめでとう。大阪成蹊女子高校へようこそ。

早くに開花した学園の桜も皆さんの入学を待っていてくれました。
そして今朝は、皆さんの周りを花びらが綺麗に舞ってくれました。
このような素晴らしい春の日に、希望にあふれる皆さんを迎えることができ、心から嬉しく思います。
そして、これまで、ご心配、ご苦労をなさってこられました保護者の皆さま、お子様のご入学、誠におめでとうございます。
心からお喜び申し上げます。

また、本日、ご多用中にもかかわりませず、お越しくださいました学園後援会、蹊友会、本校PTAの各御代表様、学園関係者の皆様をはじめ、多くのご来賓の皆さま、ご臨席を賜りましたこと、厚く御礼を申し上げます。

さて、新入生の皆さん、今日から高校生です。
そして、ここ、大阪成蹊女子高校での新しい生活が始まります。
その最初にあたり、二つのことを、皆さんに伝えたいと思います。
それは「自分で考える」ということと、「仲間を作る」ということです。

これからの社会は、AIやビッグデータ、Iotなどの最先端の技術が、あらゆる産業や生活に取り入れられて、予測ができないほど急速に、劇的に変化していくことでしょう。
このような社会では、もはや「こうすれば間違いない」という「正解」はありません。
また、情報化やグローバル化も進展し、物事はどんどん複雑になっていきますし、地球規模で考えないと解決を図れないような課題、つまり、世界の多くの人々と協働しないと解決に近づけないような課題にも直面しています。

このような中で、私たちはどうすればいいのでしょうか。
まず、自分で情報を集めて、それをもとに自分で考えること。
次に自分の考えをもとに他の人と一緒に考えること。
そして「正解がない」中で、一番いいと思える「納得解」、納得できる解答を見つけ出して、多くの人と協力して解決に取り組むことです。

ですから、高校で皆さんに学んでほしいことの一つめは、「自分で考える」ということです。
身近なところから始めてみましょう。
例えば、社会にはいろいろなルールがあります。
法律もルールですし、校則もルールです。
では、なぜ、ルールがあるのでしょうか？

学校では「遅刻をしてはいけない」とか、「きちんとした服装をしなさい」と言われます。
では、なぜ、遅刻をしてはいけないのでしょうか。
その理由を、皆さんには自分の力で考えてほしいと思います。
なぜ遅刻をしてはいけないのか、他者に対して、自分の言葉で、自分の考えを説明できるようになってください。
そしてそうした身近なところから、次第に視野を広げて、なぜ、今、日本で、世界でこんなことが起きているのか。どうすれば、それを解決できるんだろうか、自分はどうしていけばいいんだろうか、と考えて、自分の言葉で他者と話し合えるようになるために、自分で考える力をこれからの三年間で身に付けてください。

そしてもう一つ。
将来、多くの人と協力して共に活動することができるようになるために、まずは高校で「仲間を作る」ことから始めてください。
それには、友達といっぱい話をすることが一番ですよね。そして一緒に力を合わせることができるような仲間に、ここにいる皆さんがなっていってください。

その時に、一つお願いがあります。
それは、自分を大切にすること、そして同じように他の人を大切にすることです。
誠実に、思いやりを持って、相手の立場に立って考え、行動する。
その中で、相手も自分も大切にされる。そんな仲間になっていきましょう。
何よりもあなた自身が、友達から、楽しいことも、しんどいことも、いっぱい話してもらえる、そんな友達になってください。

これから新たな高校生活を迎える皆さんに、「自分で考える」、「仲間を作る」、この二つのことを期待します。

でも、あまり難しく考える必要はありません。
本校で学ぶうちに、自然と今言ったような力が身についていきます。
だから心配せずに、高校生活を充実させてください。
クラブや学校行事にも積極的に参加しましょう。
そうすると、しんどいときもあるかもしれないけれども、きっと、「自分は大阪成蹊でがんばった」という自信と、かけがえのない一生の仲間を得ることができると思います。
大阪成蹊女子高校でよき仲間をつくって、よき高校生活を送ってください。
　
最後になりましたが、保護者の皆さま、改めましてお子様のご入学、誠におめでとうございます。
私たち、大阪成蹊女子高校の教職員は、生徒、一人ひとりを丁寧に支援してまいります。
ご家庭におかれましても、本校の教育活動にご理解を賜り、ご協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

また、お忙しい中、ご臨席を賜りましたご来賓の皆さまにおかれましては、今後とも、本校の教育活動に、一層のご支援を賜りますようお願い申しあげまして、式辞といたします。